早大生になるということ、それは…
現代文科講師 清水 正史
早大生は貧しい。私は電車賃140円が惜しくて池袋まで毎回歩いた(徒歩40分)。早大生はモテない。私の同級生の女はみな他大学の男とつきあっていた。早大生は地味だ。私は灰色と黒の服しか着ずに〈無彩色の男〉と呼ばれていた。早大生は……
私は早稲田の悪口を言っているのだろうか。否。魅力を語っているのだ。——早稲田は所持金ゼロでも過ごせるところだ。彼女なしでも肩身が狭くないところだ。流行など気にかけずにすむところだ。誰もが思うように生きられるところ、大切なものは金でも見栄でも他人の思惑でもなく、〈自由〉なのだと教えてくれるところだ。
早稲田へ行こう。
(駿台予備学校 早稲田大学合格物語2016-2017 p21「4. 駿台講師からのメッセージ 〜早大を志望する皆さんへ〜」より)