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長崎憲一(ながさき けんいち)は、元駿台予備学校数学科講師。理学博士。 *経歴 [#zbf05b06] -1947年、北海道函館市出身。 -1970年、東京大学理学部数学科卒業。 -1973年、東京大学大学院理学系研究科修士課程(数学専攻)修了。 -1977年、東京大学大学院理学系研究科博士課程(数学専攻)単位取得満期退学。 --博士論文「球対称領域における非線型楕円型境界値問題 On Some Nonlinear Elliptic Boundary Value Problems on Ppherioally Symmetric Domains」 -2013年3月、千葉工業大学工学部教授定年退職。 -2022年3月、駿台予備学校退職。 *授業 [#e9e96f86] -原理から説明するというよりは、それぞれの問題でどの解法をとるべきかを説明する、というスタンスである。 --定石は一度経験して知っておくべきだと教える。 --予習の段階で考えうる解法はすべて試しているようで、発想の違いも含めて別解を示してくださることが多い。あまり見通しのよくない解法にも一言言及する。 ---「こっちの解法もやってやれないことはないですが、すこし厄介ですねえ。教える立場なもんで一応解いてはいるんですが。」 --作問の意図にこだわる傾向があり、誘導が付いている問題については誘導以外の解き方を考えるようにしているらしい。そのため、良い誘導がついている問題についてはなぜその誘導がついているのかを説明してくれるので分かりやすい。しかし、師が誘導以外の解法があると言って紹介する別解には穴がある場合も少なくないので注意が必要。 -予習してきたファイルを見ながら、極めて丁寧に解説する。 --長岡亮介師の真逆である。 --丸数字の印を多用し、途中式もほとんど省略しないので、進行に置いてけぼりになるようなことが無く理解が進みやすい。 --ただし、板書がほとんど止まらないので、あまりゆっくりノートを取っていると移す前に消されることもあるので注意。 --また、板書ミスが多い。大抵はすぐ気づき、そうでなくても解答が違ってくるので後で気付くが、気付かずそのまま流されることもある。気付いたら教えてあげるとよい。 --一応その場で考えながら解説しているようで、時折盛大な勘違いをしたまま解いてしまい、悔しがることがある。 --授業時に不覚にもこんがらがってしまった時、「要は」を多発する。%%が、これが面白いという生徒も一定数存在する。%% -“=”を“イコール”ではなく「イーコール」、”α”を「アルプァ」、また“θ”を「シータ」と「スィータ」の間にあるような原語の発音に忠実な発音をなさる。 -板書ではタ行のひらがなが数字やアルファベットと判別しづらい。 --「に」と「k」も判別しづらい。 ---口頭でも説明してくださるため、しっかり聞いていれば間違えることはないだろう。 -板書量は並以上である。そのスピードはコバタカ以上という人もいる。 -時間の制限もあり、板書でも口頭でも解説部分はかなり少ない。 --%%別に解答だけなら問題集の答えを見るだけでもいいのだが%% -質問対応は良くない。 *担当授業 [#l1bde3df] #fold{{{ ''通期'' 出講なし }}} #fold{{{ ''直前講習'' 直前Ⅰ期 -出講なし 直前Ⅱ期 -一橋大数学一刀両断!((1年ごとにⅠとⅡの担当は入れ替わる))(お茶の水校) }}} -通期・春期・夏期・冬期講習の出講はない。 *人物 [#od287487] -数学者(基礎解析学)。 --非線型微分方程式(非線形楕円型方程式の解に関する研究)。 -所属学会 は、The American Mathematical Society、日本応用数理学会、日本数学会。 -研文書院の「''大学への数学''」ー''黒大数派''の一人である。 --後述の通り、長らく駿台では別名義で出講していたため、同じ黒大数派の中田義元師、根岸世雄師、長岡亮介師、長岡恭史師には知名度においては劣る。 --長岡亮介師と同じく、%%%黒大数派の中では若手%%%で、エレメンツやニューアプローチを執筆していた。 --『ハイレベル精選問題演習シリーズ』(旺文社)、および、その改訂版である『上級問題精講シリーズ』(旺文社)は、長岡亮介師の『総合的研究シリーズ』(旺文社)よりも、絶版になった黒大数のテイストを正統的に継承している。 --『ハイレベル精選問題演習シリーズ』(旺文社)、および、その改訂版である『上級問題精講シリーズ』(旺文社)は、長岡亮介師の『総合的研究シリーズ』(旺文社)よりも、絶版になった%%%黒大数のテイストを正統的に継承%%%している。 --ちなみに、安田亨師、森茂樹師は“''月刊大数派''”である。 -「高校生時代に数学の問題を解くのが楽しくなったという単純な思いのままに、東京大学理学部数学科に進学」した。((『上級問題精講』(旺文社、2015年)より)) -大学院生時代から駿台で数学を教えている。 -以前までは専任教授であったため、駿台では「長坂薫(ながさか かおる)」名義を使っていて、パンフレットには顔写真は不掲載だった。 --2013年に大学を定年退職したため、パンフレットにも写真が掲載されるようになった。 -例年、直前期の一橋大数学だけを講習で担当。青本の解説解答も書いている。 //それなのに鹿野師より多くの人数を集める。つまり鹿野師に不まn -大学教員時代の経験からか、大学以上の数学に背景がある問題に対しては、大学の出題者が楽をしようとして作った問題だとコメントすることが多い。 -東大理系演習コースには設立当初から関わり、2020年度まで[[東大理系数学テスト演習]]の解説を担当していた。 --前期は全クラスを担当し、後期はSXとSZを担当。後期のSYは石川博也師が担当するが、石川師の方が上位向けの講義だと思われるため、この配当に不満をもつSXの生徒も少なくなかった。 -[[東大入試実戦模試]]の出題も担当している。 -旺文社の『全国大学入試問題正解』の解答者を務めている。 -森下師との会話で「社会科なんて人に習うものじゃない」とおっしゃったらしい(森下師談)。社会科の講師が聞いたら怒るのであまり大きい声では言えない。 --流石の森下師も「そんなこと言っちゃいけないですよ!」と言ったそうだ%%が実は同意している%%。 *著書 [#v1a90562] **学習参考書 [#v878ac01] -『大学への数学I エレメンツ』(中田義元・根岸世雄・藤田宏 監修/長岡亮介・長崎憲一 著 研文書院) -『大学への数学 ニューアプローチ』シリーズ(共著 研文書院) -『ハイレベル精選問題演習 数学I+A+II+B』(長崎憲一 著 旺文社、2009年9月18日) -『ハイレベル精選問題演習 数学III+C』(長崎憲一 著 旺文社、2010年9月21日) -『数学I+A+II+B 上級問題精講』(長崎憲一 著 旺文社、2015年7月9日) -『数学III 上級問題精講』(長崎憲一 著 旺文社、2015年10月16日) -『数学I+A+II+B+ベクトル 上級問題精講 改訂版』(長崎憲一 著 旺文社、2023年7月13日) **専門書 [#h7ce1f4b] -『明解 微分方程式』(共著 培風館、1997年) -『明解 微分積分』(共著 培風館) -『明解 複素解析』(共著 培風館) -『明解 線形代数』(共著 培風館)