化学特講Ⅲ(有機化学) の変更点

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*設置校舎 [#l2338f29]
-全校舎
-映像

*概要 [#p07c7ecf]
-「[[化学特講I(計算問題)]]」と並ぶ駿台の伝統講座。
--当初は、有機化学が「化学特講I」([[北山一>駿台大阪校wiki:北山一]]編)で、無機化学が「化学特講Ⅲ」(細川豊編?)であった。
--1996年度は有機化学が「化学特講Ⅱ」だった。


*特徴 [#n3a58e1a]
-夏期講習の有機化学には、他に初学者向けの「夏からの有機化学」やオンデマンド・サテネット講座「[[有機化学>有機化学(オンデマンド)]]」もある。
--「高3選抜・化学」では前期で、高卒生はPart2後期で有機化学を扱うので、「化学特講I(計算問題)」ほどの圧倒的な人気はない。
--よく言えば、有機化学は選択の幅がある。


テキストが分厚くて確実にオーバーワークで、テキストの内容も微妙な部分が多い(某先生談)上に、授業も受験範囲を逸脱する先生が多い。(特に増田先生) しかもあれだけテキストが厚いのに高分子はない。

化学が得意な人が趣味のレベルで理解を深める授業であって、特講Ⅲを受けても直接成績が上がるわけではなく、むしろ成績が下がる人もいるとのこと。(某先生談)

-駿台生的には、まず特講Iを受講する人が多く、特講IIもテキストは必須と考えると、特講IIIを取ること自体オーバーワークになる可能性が高い。[独自研究]

-化学が得意な人が趣味のレベルで理解を深める授業であって、特講Ⅲを受けても直接成績が上がるわけではなく、むしろ成績が下がる人もいる。(某師談)

-難関大学向けの授業ということもあり、また高卒生であれば有機は後期に授業があるので、受講する必要有とするか無とするかは、人による。
--受講をすすめる意見としては以下のようなものがある
---東大、京大、東北大など有機難関大学を志望する人で後期からでは間に合わないと思う人は受講してみるのも一つの手だろう。
---既に有機分野の基礎的な知識(有機電子論に関係なく)がある程度理解できていて、費用的、時間的に余裕があるならば、十分受講を検討する価値がある。こういう人の場合は、『夏からの有機化学』や映像授業の『[[有機化学>有機化学(オンデマンド)]]』よりこの講座を取るとよい。
---有機化学を体系的に学び、しっかり基礎力をつけたいなら時間のある夏の時期に固めとくのも良い。
--受講しなくてもいいという意見には以下のようなものがある。
---この講座自体が東大、京大、東北大など有機最難問を出す大学を志望する生徒向けとなっているのでそれ以外の大学を志望する人にはオーバーワークかもしれない。
---有機は後期Part2でやるので、高卒校内生はほぼ受講する必要がない。
---現役Sα生も前期と内容が被るので、前期の復習に注力すべきとのこと。(吉田師談)
---前期の『高3スーパーα化学』のテキストの方が難しく、内容も被っているため現役Sα生は取らなくて良い。それよりも前期の復習をちゃんとやってほしいとのこと。毎年そうは言いつつもかなりの数の生徒が『化学特講Ⅲ』を受講し、ほとんどの生徒は「前期授業とほぼ同じだった」と言うとのこと。(中村師談)
---実際、高3Sαは前期で天然有機と高分子化合物まで終わらせるのに対し、この講座は芳香族までしか扱わない。
---ただ講座の問題数は過剰すぎるくらい多いので、そこは高3Sαとは違う。
-『夏からの有機化学』と『化学特講Ⅲ(有機化学)』どちらをとるべきかでも意見は割れている。多少の背伸びはしてもよいという意見のほうがやや優勢ではある。
--有機は苦手だけど得意にしたいと考えるのであれば夏からの有機化学を橋爪健作や増田重治で受講した方がちゃんと基本的なところも確認しつつ、無理に受講した特講Ⅲよりも最終的な学力の到達点は高いのでおすすめ。
--一方で、特講Ⅲに関しては他の特講と違い、よほど苦手でない限り夏からの有機化学より特講Ⅲのほうがよいという声も多い。
---分量に負けず準備学習を徹底できれば初心者でもしっかり付いて行け、一通りこなすことができれば少なくとも有機の前半分野(脂肪族・芳香族)は完全攻略できる(しかしこの場合、他科目の学習時間の相当量を犠牲にすることになる)。

-構造決定だけをやりたい等であれば『【短期集中】有機化学演習』を受講することが好ましいという声もある。
--だが、それならわざわざ講習を取らないで、%%駿台文庫の『有機化学演習』%%KADOKAWAの『ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習』を解く方が時間やコストパフォーマンス的には良いかもしれない。
--しかし、黒澤師は「参考書の解答は、万人が理解できるようにするために先生たちが実際に解くようには書かれない」と仰っていたので、師の華麗なる解法を見たければ講座を取るのもありかもしれない。

*テキスト [#pf102558]
-テキスト作成者は星本悦司。
--北山一→鎌田真彰( - 2010年度)→星本悦司(2011年度 - )
--2006年度の鎌田師移籍後も5年間はそのまま使用された。
--星本師が、かつて市谷校舎で開講していた特設単科講座「有機化学の攻略」のテキストが元になっている。
--%%そのうち、増田師作成になるのではないかと言われている。%%
-テキストは異常なほど分厚い。
--驚異の390ページ超。
--市販の参考書を凌駕する詳しさで大変良質。わからない時の辞書としても機能する。
--演習問題は10題、自習問題は約60題収録されている。
--テキスト後半には、完全な初心者向けの知識やトレーニングのページまであり、まさに至れり尽くせり。
--2016年度までは「解答・解説集」が別冊だった。一冊になり印刷は綺麗になった。
-欠点は、分厚いにもかかわらず索引がないことや、誤植が多いことくらいだろう。
-ただ、星本師編集になってからは、電子論はあまり重視されていない。

-テキストが分厚くて確実にオーバーワークで、テキストの内容も微妙な部分が多い。(某章談)

-これだけテキストが厚いのに高分子はない。


-ちなみに、2016年度までは、100ページ予習を進めるよう前書きにあった。この初日の予習が終わらないのであれば授業についていくのは少し厳しかったが、2017年度のテキストからこの記述は削除された。
-関東勢の多くの講師はテキストは問題を見るくらいにしか使用しない。
--ので、問題ページだけコピーして持っていくと軽くて良いかもしれない。

*授業 [#x9072bdf]
-レベル:5-8
-''(HG)''講座である。
-有機の前半分野(脂肪族・芳香族)を扱う。
--授業は内容の濃いものとなるが、その分授業でやることが多く、HGながら授業展開は早いので注意。
-オススメは黒澤孝朋、増田重治、吉田隆弘、高野辺康介、小原英樹。
--この5人は有機電子論を用いた授業を行う講師であり、彼らの授業を受ければ有機電子論を用いた有機の基礎からの説明を聞くことができる。学習指導要領にとらわれない駿台らしいアカデミックな授業を受講できるのでオススメである。
--板書派なら吉田師、黒澤師、プリント派なら増田師・高野辺師・小原師で取ると良い。

-受験範囲を逸脱する講師が多い。(特に増田先生)

-一部の講師は教科書〜大学受験レベル(+α)の範囲で教えてくれる。
->例えば景安先生、西村先生は独自のわかりやすいプリントで授業してくれる。




*担当講師 [#cc8c3327]
>''黒澤孝朋''
お茶の水校、吉祥寺校、大宮校、映像
-構造決定問題が難しいことで有名な東北大の実戦模試の有機分野を任せられていただけあり、構造決定の問題の解説にかなり定評がある。
-中村師や増田師ほど深く突っ込んだ有機電子論を用いた反応機構の解説は行わないが、反応機構を納得して理解することに十分な電子論を用いた解説を行う。
-師は問題を早く解くことを意識して講義をするので、問題解説ではどのようにして時間を短縮しながら問題を解くかを見せながら解説する。
-付け焼き刃のテクニックや誰も見たことないような解法を使うわけではなく、文章を読む上での注意点や師の経験則からその問題に対して気づいておくべき点など教えてもらえる。
-適度に反応機構の理屈を理解して、構造決定問題をどう解いていくか習いたい人におすすめの講師
-かなり延長する。最終日は22:30頃まで延長する
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>''増田重治''
お茶の水校、立川校
-「有機の増田」と称されるだけあって、化学特講Ⅲの担当者と言えば師と言われることも多い。
--井龍名義時代は担当校舎の全授業が締め切ることが当たり前で、教科を超えて取りにくい講座の一つだった。
--現在はそこまででもなく、残席も結構ある。それでも校内生受付の段階では締め切り、増設になる。
-テキストは基本的に問題解説以外では使わない。
--テキスト的には「夏からの有機化学」(淵野英俊師作成時代)の方が良いらしい(特に概説)。
-90ページ近い膨大なプリントを配布して授業を行う。
--高校生が理解出来るギリギリのところまで大学範囲を織り込んでおり、非常に質が高い。市販では到底手に入らないだろう。
--いつも通り、話している内容のほとんどはこのプリントに書かれている。より理解するための図や関連事項を板書や口頭で示すので、適宜余白に書き込めば良い。
--2019年度よりB4刷からA4刷になった。
-極めて高度な授業ゆえ、受験範囲を相当に凌駕している。
--点数がある程度取れるのを前提として、根源の理解をスッキリさせたい・深い理論を渇望している生徒には化学を統合的に考えるための非常に良い手助けとなる。
--一方で、化学そのものがまるっきり苦手な人・有機化学をゼロから始める人にとっては、相当厳しい内容となる。
--師自身が認めているが、京大以外でこのレベルの見方が求められることはない。東北大・東大であっても参考になるというレベルである。
--なので、自分の志望校がどの程度の有機化学を出題するのか理解した上で授業に臨むのが一番良いと師は仰っていた。もし基本的な内容に限られるようであれば、この講座の受講価値、特に増田師で受ける意味は無い。むしろ時間の無駄になりかねない。
---ハイレベルコースの生徒が「有機は井龍で完璧だぜ」などと言っていたが、そんなことは全くなかったという話もある。有名だからといって安易に選択するとかなり痛い目にあう授業なので注意。
-電子軌道関連、特に混成軌道や共役・共鳴の解説に初日全てを費やす。
--2018年度は,駿台化学科の方針や,時間が足りないためだとして、混成軌道の考え方の説明はなされなかった。これを目当てに受講した生徒もいたであろうに...
--一方、2019年度は混成軌道について例年通りの詳しい説明をされた。2018年度はかなり不評だったらしい。
---「君たちやらないと怒るじゃんかよ〜」「めっちゃクレームきて怖かったの」
-また構造決定の手解きも丁寧に説明してくださる。増田師が言うところの「推理」のプロセスである。
--その分、問題解説はかなりの早さ、人によっては雑に感じるほど瞬時に終わってしまう。一つ一つ丁寧に解説してもらいたい人には向かないかもしれない。
<
>''高野辺康介''
お茶の水校
-2020年度より担当。
-有機電子論を用いるが、必要以上に難しい説明をしないので非常にわかりやすい。
<
>''吉田隆弘''
お茶の水校、横浜校
-有機電子論を用いて、反応機構を分かりやすく教えてくださる。
-一通り基本事項を学習した後に受講すると、バラバラに覚えた知識が繋がっていくことが実感でき、師もそう感じて欲しいとおっしゃっている。
-やや、基本事項の網羅性には欠ける恐れがあるので、初学者ならば一通り教科書などを読んでから、受講するとよいだろう。
-授業態度にはやや厳しいので、居眠りや内職などはするべきではない。
-演習問題の解説は、師の思考過程を自分で再現できるよう、メモを取るべき。それを元に復習すると、構造決定の問題は必ずできるようになるだろう。(もちろん、復習あってこそだが)
<
>''小原英樹''
お茶の水校、市谷校舎、池袋校、千葉校、津田沼校、仙台校
-いわゆる石川チルドレンの一人。
-師のページを見ればわかると思うが、独特の関西系のノリがあるので、それが苦手な人は避けた方が良い。授業も少しクセがある。
-プリントはPCで書いた文字と手書きの文字が点在するので少し読みにくいことがある。
-小原師はハイレベルクラスでは後期通期授業で電子論を用いた解説を行わないので要注意。小原師から電子論で有機化学を習いたいなら当講座を取るべき。
<
>''中村雅彦''
町田校、藤沢校
-中上級者向け。一応頑張れば初心者もついていけないことはない。
-師の授業に限って、構造決定が出来るようになることに主眼が置かれた講座ではない。
--問題の解き方を重点にしたいのなら他の講師を検討した方が良い。
-普段、高校では反応を暗記しておけ知っとけと言われる有機化学反応を理屈を知って理解していく講座であると前もってお話される。
--講義問題には重点を置かない。解答プリントを配布し、それを用いて主に口頭で説明して終わらせるレベル。その分反応機構の説明が濃い。
--その割には、講義問題の他に補充問題、宿題を配布する。
-最初から最後まで反応機構の説明に終始する。もちろん電子論の説明もしてくれる。
--%%いつも通り%%師の特徴である共役酸共役塩基の説明もある。
-なお、自分が話す内容は、大学で習ったのを焼き直しして話すだけらしい。
-何事もなければ普段通り温厚であるが、居眠りすると一回目はただの注意。それに懲りずに居眠りを続けると退出するよう言われるので注意。
-質問対応は冷たくない。逆に講義について自虐してくることがあるので素直に良かった点を教えてあげるのが良い
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>''石井光雄''
あざみ野校
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>''西村能一''
横浜校
-有機電子論は扱わず、高校の授業の延長線上のような講義を行う。初級~中級者向け。
-はっきり言って『夏からの有機化学』との差がない。
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