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佐伯孝弘(さえき たかひろ 1962 - )は、国文学者。清泉女子大学文学部日本語日本文学科教授。清泉女子大学学長。元駿台予備学校古文科講師。 佐伯孝弘(さえき たかひろ 1962 - )は、国文学者。清泉女子大学学長。元駿台予備学校古文科講師。 *経歴 [#qf1624d0] -1962年、佐賀県生まれ。 -東京大学文学部卒業。 -東京大学大学院人文科学研究科(国語国文学専攻)博士課程修了。 --博士(文学) (東京大学)。 -元 駿台予備学校講師。 -1993年、清泉女子大学文学部国文学科専任講師。 -1999年、清泉女子大学文学部日本語日本文学科助教授。 -2005年、清泉女子大学文学部日本語日本文学科教授。 -2018年、清泉女子大学学長。 -日本近世文学会常任委員。 -日本文学協会委員。 -全国大学国語国文学会常任委員。 -歌舞伎学会。 -大学入試センター試験作題委員(「国語」)。2006年4月~同2008年3月 -独立行政法人日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員及び国際事業委員会書面審査員。 2011年8月~2013年7月 -大学評価・学位授与機構国立大学教育研究評価委員会専門委員。 2016年1月~2017年3月 -品川区情報公開等審議会委員。 2016年1月~ -品川区歴史館専門委員。 2016年3月~ *授業 [#qaa2924c] -高橋いづみ師、福沢健師のような初学者向けの授業だった。 -特設単科や講習会では佐伯師オリジナルの講座も担当していた。 -授業の進行はかなり遅かったようで、横浜校ではペアを組んでいた秋本師が明らかに終わらないと思われる佐伯師担当の部分も講義したらしい。 *担当授業 [#v1186069] *人物 [#edcd671e] -国文学者(日本近世文学)。 --日本近世(江戸時代)文学が専門。 --近世の小説、特に浮世草子や近世前期の怪異小説・笑話などについて研究している。 --清泉女子大学の講義では井原西鶴や近世怪異小説を扱う。 --日本近世小説、特に江島其磧の八文字屋本などの浮世草子を研究テーマとする。後続作者たちの西鶴享受や、浮世草子と噺本、読本・演劇などの他ジャンルとの関係、作中への実事件・モデル・巷説の取り込み等の視点から、浮世草子の趣向性や文芸性を考察してきた。近世前期の怪異小説や上田秋成にも関心を寄せている。 -母親が本好きで家に古い文学全集があり、父親は仕事の虫で帰宅後もいつも机に向かっていた環境で育ったためか、小さい頃から本が好きで、将来は文系の研究者になって本に囲まれた生活をするのが夢だった。 -大学時代は、日本文学以外にも、歴史学やら教育学やら心理学やら、色々な分野の本を乱読した。 -大学時代にアルバイトで、出版社の内勤をやったことが大変貴重な経験になった。 --中学入試の正解集を出す小さな会社だったが、自分の書いた文章がそのまま活字になっているのを見て、日本人にありがちな活字信仰(=新聞・雑誌など活字になっていると鵜呑みにしてしまいがちなこと)から抜けて、自分で真偽を考えながら読めるようになった。 -大学1、2年生の時にクラスメイトと日本古典の読書会を作って、『伊勢物語』『和泉式部日記』『建礼門院右京大夫集』『雨月物語』などを読んだ。 --その中で江戸時代中期に上田秋成の書いた読本である『雨月物語』が抜群に面白く、夜を徹して一気に読み通した。 //高校時代から古文・漢文は得意だったので古典を読むこと自体は好んでいましたけれども、ストーリーが面白くて夢中になって時を忘れて読んだのは初めてでした。 -「200年以上も前に、どうしてこれほど面白いものが書けたのだろう」と素朴な疑問を持ったのが、江戸時代(近世)の小説(特に浮世草子)を研究したいと思うようになったきっかけである。 -若いうちに文献の扱い方や訓詁注釈の仕方を鍛えられたことが、今も骨肉となっていると思っている。 --大学時代の恩師が徹底した資料派の研究者で、且つ実に厳しくて怖い先生だったことや、浮世草子の研究会で長年御指導を受けた当該分野の大家の先生が厳密な実証主義、文献学の立場を取る方だった。 //細かな語句の解釈が変わるだけで、作品の「読み」や主題の取り方までも変わったりします。まさに「神は細部に宿る」です。 //-私の一番の専門の浮世草子という小説は、「浮世」とあるように現世描写に長け、当時の庶民の生活を活写しています。近世前期の怪談と笑話も専門としており、どちらも非日常の、常識や理性から脱したところの人間の本質を垣間見ることのできる点が魅力です。作品を通して当時の「人間」の生活や内面が知れることや、江戸時代の和本は個人でも買える範囲の物があるので、原資料に直に触れながら当時の人々と繋がることができるのも、近世文学研究の醍醐味です。 -駿台出講時代は、大学院生でまだ若く、佐野元春氏に似ていると言われていた。 -高橋正治師が恩師に当たる。 --佐伯師が、大学院を修了すると同時に、清泉女子大学教授だった高橋正治師が専任講師として招聘した(平成30年度 清泉女子大学入学式 学長式辞より)。 *著作 [#g5a22a12] -『八文字屋本全集』全23巻(共編 汲古書院、1992年10月~2000年10月) -『江島其磧と気質物』(若草書房、2004年7月) -『西鶴と浮世草子 研究』2号〈特集・怪異〉(共編、笠間書院、2007年11月) -『浮世草子研究資料叢書』全7巻(共編、クレス出版、2008年11月) -『古典文学の常識を疑う』(共編、勉誠出版、2017年5月) -『浮世草子大事典』(共編、笠間書院、2017年10月) **論文 [#l2c1e2b0] -「上田秋成の初期浮世草子 -"わやく"に拠る創作手法-」, 『駿台フォーラム』第8号, pp.61-78, 1990, 駿台教育研究所. -「其磧の習作期の役者評判記」(『国語と国文学』80巻5号)2003年5月 -「浮世草子に見る遊女の幽霊」(『江戸文学』33号)2005年11月 -「近世前期怪異小説と笑い」(『笑いと創造第6集 基礎完成篇』勉誠出版)2010年12月 -「浮世草子と京・大坂――西鶴・其磧を中心に――」(『日本文学』62巻10号)2013年10月 -「『怪談御伽桜』の破戒僧」(『國學院雑誌』114巻11号)2013年11月 -「豆男物の浮世草子―浅草や業平伝説との関係など―」 一柳廣孝監修・飯倉義之編『〈怪異の時空2〉怪異を魅せる』青弓社 2016年12月