川村徹 のバックアップ(No.2)
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- 川村徹 へ行く。
- 1 (2024-12-24 (火) 22:21:30)
- 2 (2025-01-30 (木) 11:09:50)
川村徹(かわむら とおる)は、英語教育家。元駿台予備学校英語科講師。
経歴 
- 駿台予備学校講師(1987 - 年度)。
授業 
- 高校生クラスでは受講生は次第に減っていった。
- 文法解説はいたって正統的。
- 伊藤和夫先生を敬愛しているようすで、テキスト内の問題をつねに「英文法頻出問題演習」の項目と対照しながら、ときには「構文詳解」や「英文法教室」の解説もわかりやすく示す。
- 要点は印象的なフレーズを歌うように唱えて、耳に残った。
- <英語には”a”もつけないし、”pl”(plural)にもしない単語があるのよ〜>
- <関係代名詞に前置詞がついたら、前置詞が必要だ〜という感覚をもつのよ〜>
- 文法の各項目は図や表を駆使して視覚的にまとめ、ネイティブが頭の中でもつイメージを伝えてくれる。
- 高校の授業では訳を暗記するだけで理屈が分からなかったいわゆる鯨の構文を、一般常識と動物学者が鯨と馬に関してそれぞれ抱く<魚度>の度合いを棒グラフに示して、「鯨はその<魚度>において、なんら馬に勝るところはない」と訳してみせ、たちどころに理解させてくれた。
- なかでも単語の覚え方はひじょうに参考になった。
- 清水かつぞー著「英単語ピーナツほどおいしいものはない」という単語集を持参し、連語で覚える方法を推奨した(金・銀・銅メダルコースの3部作だが、当時は金は未刊行)。
- これは当時主流だった英語と日本語を1対1で結びつける方式ではなく、日本語から浮かぶイメージに英語を結びつける方式を採った珍しい単語集だった。
- <definiteは清水かつぞーさんの「英単語ピーナツ」によると…あ、出てますね、a definite purpose、はっきりした目標>
- 「はっきりした目標」という日本語から「a definite purpose」という英語を導き出す訓練をする。ひとつの日本語の殻に英単語の粒が2つ入っているから「英単語ピーナツ」というわけである。
英単語は「表現の最小単位」である連語でおぼえるのがいちばん合理的で発展性があるという。
- 毎年、最終講義で「駿台受験坂」という歌を一回だけ歌っていた。
- 「さいきんはあいつは授業で歌をうたうと苦情がくることがあるので教室ではうたえないが、君たち二人にはテープに吹き込んで送ってあげよう」とおっしゃる。しばらくすると本当にカラオケに合わせて歌われた駿台受験坂が送られてきたのである。
担当授業 
- 英文法演習 横浜校(横浜SECC館)
人物 
- 英語教育家。
- 『英単語ピーナツほどおいしいものはない』シリーズの著者(清水かつぞー名義)。
- 「同時通訳の神様」と言われた國弘正雄先生の最後のお弟子さんのお一人。
- 國弘正雄著『添削式クニヒロの入試の英作36景第2集』(南雲堂、1989年)や『怒濤の入試英作文 基礎20題―英作文はこれで楽勝!』(たちばな出版、2003年)などの企画構成を担当した。
- こういった仕組みの本を出すに至ったのは、故川村徹君の着想によるところが多大だった。(略)同君は小生のこの領域における右腕で、実によく助けてくれた。その夭折(といってもよい若死)をいまなお惜しみ、その霊の安息を念う。(『怒濤の入試英作文 基礎20題』「はじめに」より)
- その蓬髪から実験室から現れた化学者といった印象。
- ひとつの分野に一心不乱に傾倒している文字通り専門家のたたずまい。
- こだわりの強そうな印象もあったが、英語の職人といった風体。
- 「 要するに英語というのは頭だけでは無理です。スポーツと同じで練習が必要です。その練習の1番簡単なのが音読です。野球で言えば素振りでしょう。素振りはバット1本あれば、どこででも、1人で出来ます。 音読はガス釜の種火作りのようなもので、種火さえつけば、後は燃料を追加さえすればどんどん火は燃えます。」
【参考】
note ――つくる、つながる、とどける。
散録33「英単語ピーナツと川村徹先生」
https://note.com/sanroku33/n/nf7acfba5bc4e