河合塾 のバックアップ(No.1)


河合塾

河合塾(かわいじゅく)は、日本の大手予備校である。駿台予備学校、代々木ゼミナールと並んで「三大予備校」と呼ばれる。

概要 Edit Edit

  • 前身は、英文学者・河合逸治が1933年に名古屋で開設した私塾「河合英学塾」。
    • 1937年に「河合塾」と改称、1942年に各種学校「河合高等補習学校」と改称した。
  • 1944年からの戦時下における廃校期間を挟んで、1947年に私塾「河合塾」として再興。
    • 1948年、愛知県から各種学校の認可を受けて「河合高等補習学校」と改称。
    • 1955年、愛知県から学校法人河合塾の設立認可。
  • 「学者が大学受験の為の英語を生徒に教える」と言う点で見れば、駿台と河合塾のルーツは極めて似ている。
  • キャッチコピーは「すべては一人ひとりの生徒のために」。
  • 駿台がライバル視する数少ない予備校。
    • 授業中に河合塾を批判する講師も少なくない(某代ゼミほどボロクソに言う講師はあまりいないが)。他校批判は生徒の笑いを取りやすいからだろうか。
    • 竹岡広信師「駿台予備学校!学校だよね!?河合塾!塾だよね!?代々木ゼミナール!もう訳がわからんね!!」

特徴 Edit Edit

  • 本拠地は名古屋にある。
  • 河合塾の東京進出(駒場校開校)が「予備校戦争」の発端といわれる。
    • 後の三大予備校の間に限って言えば、当初は(少なくとも表面的には)さほど厳しい空気が流れていたわけではなかった。*1
  • 現在では全国に多数の校舎を展開している。
    • ローカル予備校に過ぎなかった河合塾が全国進出を果たせたのは、外資系商社や証券会社など、外部から教育の門外漢である若いビジネスマンを積極的にヘッドハントした*2ことによる。
    • 提携予備校やグループ会社の河合塾マナビス、河合塾ライセンススクールなどを合わせると、それはそれはとんでもない数に…
  • 札幌では地元の老舗予備校・札幌予備学院を吸収、仙台では地元の老舗予備校・文理予備校と提携した。
  • 首都圏においても、3号館に対抗した本郷校、市谷校舎に対抗した麹町校、1号館に対抗した秋葉原館、あざみ野校に対抗したあざみ野館など、河合塾側も駿台への対抗意識満々である。
    • 本郷校と麹町校のプレミアムコースでは、SEGの数学科が出講しテキストも監修している。
      • 河合塾の最上位コースは3号館や市谷SAと同じくらいの合格率を誇る。
  • 2020年は、新型コロナウイルスの件で受験生応援として夏期講習を高卒は3コマ、高3は2コマ、高1,2は1コマをなんと無料とした。太っ腹である。
    • ほかにも地方校舎は緊急事態宣言解除後授業を再開し、尚且つ映像も配信し続けることで生徒が安全を考慮しどちらかを選べるようにした。
    • コロナ対応は駿台よりよっぽど良かった

講師 Edit Edit

  • 1973年の秋、全共闘の元活動家を講師として意識的に採用し始め*3、代々木ゼミナールとともに、いわゆる「名物講師」による「予備校文化」の礎を築いた。

現職講師 Edit Edit

  • 全国的な有名講師には、東進兼任の物理の苑田尚之先生(慶応医学部や医科歯科、横市の物理と担当しているので直前はお勧め)、元・東進兼任で「はじめからていねいに」で有名な化学の岡野雅司先生(元・研数学館)、「実況中継」で有名になった日本史の石川晶康先生、世界史の青木裕司先生(元水城学園)などがいらっしゃる。他にも、センター化学実況中継で有名だった東大教授に直に文句も言える化学の小川裕司先生、医進専門の毒舌魔髙木賀正先生(慶応医学部や横市の化学を担当しており河合の医進関係の化学に責任者なのでおすすめ)など、駿台に負けない分野の先生もいらっしゃる。
    • 青木裕司先生は河合塾福岡校の有名講師であるが、駿台大阪校wikiでは無能な編集者によりなぜか「駿台福岡校出身」と誤記されている。
  • 近畿地区には、関西で石川正明師と人気を二分する大西正浩先生がいらっしゃる。
    • 東進兼任で鎌田真彰師の後任として東大特進化学を担当している大西哲男先生、元・代々木ゼミナールの人気講師・大西憲昇先生、超プレミアム本『最短コース 化学』(高木書店)で有名な大西一郎先生(元・近畿予備校)とは別人である。

兼任講師(駿台) Edit Edit

講師Edit Edit

引退 Edit Edit

  • かつては、元ENAの奥田猛先生、1984年大学共通一次試験現代国語を的中させた牧野剛先生、東大現代文を的中させた大川邦夫先生、東大地理の第一人者、権田雅幸先生などがいた。

現役 Edit Edit

  • 有名どころでは、代々木ゼミナールに移籍した化学科・斎藤慶介先生(進学塾ビッグバンを経て現在は不明)、代ゼミを経て長井ゼミを主宰している数学科・長井敏弘先生、東進に引き抜かれた生物科・田部眞哉先生(元・研数学館)、数学科・志田晶先生(元・駿台名古屋校)も在籍していた。

模擬試験 Edit Edit

  • 1972年に「全国進学情報センター」設立して、全国統一模試(全統模試)開始。
  • 主に「全統模試」と「大学別入試オープン」を実施している。

 三上敦史(2013)「河合塾による『全統模試』の創設―模試を通した新しい情報戦略の展開―」, 教育科学編『愛知教育大学研究報告』 (62), pp.131-137, 2013-03-01, 愛知教育大学.

沿革 Edit Edit

  • 1965年度は、通常は塾生のみを対象に実施しており、「河合塾公開模擬試験」(河合塾模試)と称し、年に2回だけ公開していた。
    • 年7回の必須模試のうち、第5回は旺文社全国模試で、第3回、第6回が公開模試。第6回は代々木ゼミナール他、3高校と共催。
  • 1966年度に、全ての回を公開模試としたうえ、東京の有力予備校3校(一橋学院、駿台高等予備校(当時)、代々木ゼミナール)との共催模試を各1回で計3回、全国学生文化厚生団体連合(学文連)の「名大学力コンクール」を3回採用して組み込んだ。
    • 駿台高等予備校の駿台模試とは、1966年度から1969年度まで提携していた。
  • 1967年度からは、「東大学力コンクール」「京大学力コンクール」も採用。
    また、一橋学院との共催模試を発展的に解消し、全国9予備校で共催する「全国私大模試」(別名「早慶模試」)を創設した。
  • 1969年度からは、河合塾模試を「大学入試中部統一模擬試験」(中部模試)と改称した。
  • 1970年度に、全国私大模試を共催してきた予備校のうち一橋学院・関西文理学院・コロンビア予備校を選び、中部模試を実質的に全国展開させる形で、「大学入試連合模擬試験」(連合模試)を創設した。
  • 1972年3月、全国7予備校と図って「全国進学情報センター」(全進)を設置し、連合模試を改称した「大学入試全国統一模擬試験」(全統模試)を実施した。

特徴 Edit Edit

  • 母集団が大きい。
    • 駿台模試に比べて超優秀層の受験者は少なく、医学部志望者からは判定を当てにされていない。
  • よく練られた癖の少ない出題が多い。
  • 採点は比較的丁寧である。

全統模試 Edit Edit

  • 正式名称は「大学入試全国統一模擬試験」(沿革参照)。
  • センター試験対策用の全統マーク模試(センター試験プレテストを含む)、2次&私大対策用の全統記述模試などがある。
  • 全統マーク模試(2020年2月以降は「全統共通テスト模試」)と全統記述模試は、全統模試の2枚看板であり、毎年多くの受験生を集めている。

入試オープン Edit Edit

  • 1974年、駒場校の開校を前にして、日本初の(本格的な)特定大学模試(とされる)「東大入試オープン」を実施。
    • 実際は、1968年に大学紛争で消滅した学生団体主催の「東大(全国)学力コンクール」(東京大学学生文化指導会主催)などがあり、河合塾も1966年から名大コンクール、1967年から東大コンクール・京大コンクールを採用していた。*4
  • 1994年度からZ会と業務提携し、東大即応オープン、京大即応オープンなどを共催していた(1994~2018年度)。
    • なんと2018年8月に、Z会が駿台予備学校と2019年度から提携することを発表。河合塾との提携は解消してしまったようである。
      • 「でも、河合塾もZ会との提携やめるらしいし、いろいろ大人の事情があるんだね」(森下師談)

 三上敦史(2014)「河合塾の東京進出―「東大入試オープン」と駒場校の創設
―」, 教育科学編『北海道教育大学紀要』64(2), pp.247-259, 2014-02.

出版部門 Edit Edit

 河合出版(元・進学研究社)という出版部門がある。

  • 1974年 - 出版事業開始。
  • 1983年 - 「株式会社河合塾進学研究社」設立。
  • 1989年 - 「株式会社河合出版」設立。
  • 参考書は河合出版の方が駿台文庫よりも一部では高い評価を得ている。(Amazonのレビューより)
    • もちろん駿台文庫にも受験の定番と呼ばれる参考書(だいたいは伊藤和夫師、山本義隆師等の参考書と言った歴史あるものが多い)はあるが、河合出版の方が受験の定番としてみなされる参考書が多い。[要出典]
      ただ、全体として駿台文庫の方が難易度が高い参考書となっている。
      また、駿台文庫の参考書には酷評されるものもあるが、河合出版にはそのようなものが少ないのも特徴。レイアウトは圧倒的に河合出版に軍配が上がる。
    • 数学では『やさしい理系数学』『医学部攻略の数学』など、英語では駒橋輝圭師も推奨する『やっておきたい英語長文』シリーズなど、持ち主が使いこなせているかは別として現役生のシェア率の高い問題集が多い。
  • 大学入試センター試験(大学入学共通テスト)の過去問集である過去問レビューと全統マーク模試の過去問等が掲載されたマーク式総合問題集(通称「黒本」)と特定大入試オープンの過去問集である入試攻略問題集(通称「紫本」)は、教学社の「赤本」、駿台文庫の「青本」、代々木ライブラリー(日本入試センター)の「白本」、Z会またはナガセ(東進ブックス)の「緑本」と並びよく知られている。
    • センターの過去問集(黒本)に関しても駿台より評判が良い。
    • 「過去問」の項に『入試攻略問題集』についても詳しい記述があったが、何者か(荒らしか無能編集者?)によって削除されている。
  • かつては、駿台文庫から出る参考書のような学術書に近い書籍(「理系 化学精説」,「日本史精説」など)も多く出版されていたが、2010年代ではその様な内容の本は「理論物理への道標」や「医学部進学のための特別講座 医学・医療概説」程度に留まっている。